マンション管理員は手取り20万円弱…でも住居費ナシ、水道代ナシ、電気代ナシ【73歳・マンション管理員 哀愁の日々】(日刊ゲンダイDIGITAL)

出典元:日刊ゲンダイDIGITAL

【73歳・マンション管理員 哀愁の日々】#30

 前回述べたが、給料は減っても勤務時間に恵まれた新天地での暮らしは上々だった。まず日々の解放感が違うのである。というのも、夕方5時以降の労働は、管理員の裁量に任されていたからだ。しかし、悲しいかな、貧乏性というか、「パブロフの犬」的条件反射というか、灯具点検を兼ねて巡回するクセはなくならなかった。

「60歳からのマンション学」日下部理絵氏

「え、今日はお休みじゃないんですか」

 勤務時間外に巡回しているわたしを見た住民さんに何度も尋ねられたほどだ。前任者には見られなかった姿だったのだろうが、これまで、正月三が日以外は日曜日も巡回していた身には、それが当然だったのである。だが、わたしたち夫婦の気持ちは、オンとオフの境目がほとんどなかった前任地とは、大きく違っていた。新天地での暮らしは快適であり、なによりも住民さんのわたしたちを見る目が温かいのである。

 ところで、読者の中には、マンション管理員の待遇の詳細を知りたい方もおられるかもしれない。「住み込み管理員は身一つで入居」と一般的に思われているようだが、それは間違い。食卓テーブルや食器棚、本棚、ソファ、そしてエアコン、洗濯機、冷蔵庫、テレビ、電話、パソコン、各種照明器具なども持ち込みとなる。ただ、わたしたちの場合は、広いところに住んでいた関係で、家内が愛用していたエレクトーンや電動マッサージ機、事業用に使っていたコピー機などを処分しなければならなかった。その一方、さまざまな事情から「身一つ」で管理員になろうというひとは、生活必需品を一から揃えなければならなくなる。

 ただし、ガスコンロなどキッチン回りのものは備え付けのものを使うことになる。これについては以前も触れたが、とても使い物にならない代物で、新品に替えてもらった。それ以外のものでは、いわゆるバス・トイレ。4畳半一間と6畳一間、同じく6畳のダイニングキッチンという2DKが、管理員の居室兼住まいである。これと隣り合わせに4畳半の管理事務所がある。

 一番気になる家賃だが、これは無料。水道・電気代も無料。と、ここまでくればすべて無料と勘違いされそうだが、ガス代、NHK受信料は自分持ちである。もし、オール電化の住戸であればガス代は不要だったはずだ。

 最近は、住み込みを志望するひとは少なくなってきていて、ほとんどが通勤管理員だ。住み込み管理員の中には、持ち家を賃貸にしている「大家さん管理員」もいるらしいが、わたしたちのような切羽詰まった経済的事情で、この業界に足を踏み入れるひとはごく少数だ。

 待遇については、定年までは正社員で、定年後は1年ごとの更新で契約社員となる。正規であろうと契約であろうと、6カ月以上勤める場合は、社会保険が適用されるので、厚生年金も失業保険も受給の対象になる。

 ただし、これは主管理員のわたしだけであって、副管理員の家内はパート扱いなので、いずれもなく、主管理員の扶養家族となる。しかし、家内が個人年金を受給し始めてから、パート以上の収入となり、被扶養者の対象から外れた。そして、国民保険に加入しなければならなくなった。そのおかげで、結果的に経済的負担が増えてしまったのは想定外。

 総合的に考えて、給料は決して多いとはいえないものの、家計を最も圧迫する住居費が不要なのは、住み込み管理員業の最大のメリットといえるだろう。

■会社が合併するたびに給与アップ

 それから数年後の話になるが、わたしたちが所属していた会社が、親会社に吸収合併されたことにより、給与も増額し、その会社がさらに大手の商社系管理会社に合併吸収されてから、最終的に2人あわせて手取り23万円となった。わたしも家内も年金を受給していたので、月収としては、そこそこの金額になった。

 決して楽な仕事ではないし、破格の給料というわけではないが、「出費の少ない社宅住まい」のような日々。覚悟を持って真面目に働いていれば、それなりの蓄えも期待できるのであった。

(南野苑生/マンション管理員)

【広告】

何か新しい事に

チャレンジしてみたら?

週末を利用して体験旅行はどうですか?

新しい趣味が見つかるかも。

旅行先での遊び や、

週末の おでかけ 先をお探しなら

日本最大級のレジャー総合情報サイト

[su_animate type=”flip” duration=”2″ delay=”1″]              「asoview!(アソビュー)」[/su_animate]

にお任せ。

↓   ↓   ↓



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。