「海外の目」を常に意識する日銀が考えた「英文タイトル」(日経ビジネス)

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出典元:日経ビジネス

日銀は3月18~19日に金融政策決定会合を開催。金融政策を賛成多数で現状維持としつつ、数カ月かけた「より効果的で持続的な金融緩和を実施していくための点検」の結果を公表した。異次元緩和がさらに長期化していくことが避けられそうにない中での、一種の態勢チェックである。

【関連画像】一度始めてしまった政策を終わらせるのは、容易なことではない。そこで、勝算のない長期戦・持久戦がだらだらと続いていくことになる。(写真はイメージ)

 「持続的な形で」金融緩和を継続し、情勢の変化に対しては「躊躇(ちゅうちょ)なく、機動的かつ効果的に対応していくことが重要」とする日銀が出した結論は、以下の通りである。

(1)長期金利の変動許容幅の「明確化」

 10年物国債利回りの目標である「ゼロ%程度」からの変動許容幅はこれまで、2018年7月31日の黒田東彦総裁記者会見における「おおむねプラスマイナス0.1%の幅から、上下その倍程度に変動し得ることを念頭に置いています」との発言で示された形になっていた。市場はこれを、ゼロ%プラスマイナス0.2%と受け止めてきていた。

 今回の「点検」を経てこの幅は拡大するのかという問題については、マスコミ観測報道や黒田総裁・雨宮正佳副総裁の発言によって、債券市場は振り回された。18日午後には日本経済新聞の報道から「プラスマイナス0.25%程度」へ小幅拡大するという見方が市場で一気に広がり、実際にそのように文書で明確化された。

 ただし、これは許容変動幅の小幅拡大ではなく、総裁発言で示されていた「倍程度」の数値的な明確化であるとされた(それでもなお「程度」という文言が付いているのだが)。また、金利上昇を抑制するための新たな手段として「連続指し値オペ制度」が導入された。

 日銀は変動許容幅の下限については「日々の動きの中で金利が一時的に下回るような場合に、そうした動きに厳格には対応しない」とした。マイナス0.25%のラインで金利低下を何が何でも止めにいくような、厳格で硬直的な金融市場調節(オペ)の運営はなさそうである。

●イールドカーブ低位安定を優先

 また、イールドカーブ・コントロール(YCC)の当面の運営については、「特に、新型コロナウイルス感染症の影響が続くもとでは、イールドカーブ全体を低位で安定させることを優先して」いくと、文章上ではっきりコミットした。市場の一部で警戒されていたような、金利の上昇をあおるようなオペ運営も行われないということだろう。

(2)上場投資信託(ETF)買い入れの柔軟化

 日銀はこれまで、保有残高が「年間約6兆円に相当するペースで増加するよう」ETFを買い入れるという、原則的な目標額を掲げてきた。加えて、20年3月16日に決定した新型コロナウイルス対応の緩和強化措置の一環で、「当面は、年間約12兆円に相当する残高増加ペースを上限に、積極的に買い入れる」としてきた。

 だが、日銀が「日本最大の株主」になったと報じられ、国会で何度も論議の的になり、黒田総裁が質問を繰り返される事態に直面した。よってETF買い入れ手法の見直し、端的に言えば従来よりも買い入れ姿勢を抑制的にして株式市場における日銀のプレゼンス増大に歯止めをかける必要が、日銀には生じていた。

 ただし、日銀の買い入れ姿勢が消極化するなら日本株の下落リスクは大きいと、海外勢を中心とする投資家に受け取られてしまう事態は避けたい。そこで、買い入れに「メリハリをつける」というコンセプトを前面に出し、ふだんはあまり買わないけれども、何らかのショックが加わるなどして株が急落する場合は、ETFを集中的に買い入れるというストーリーを、いわば「隠れみの」にしようとしたと考えられる。

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