大阪・関西万博 未来は、夢じゃない 開幕まで1500日(産経新聞)

出典元:産経新聞

2025年大阪・関西万博は5日、開幕まで1500日となった。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、会場の大阪市の人工島・夢(ゆめ)洲(しま)で最先端技術による次世代空間を創出。新型コロナウイルスの収束と本格的な少子高齢化を見据え、健康・医療やエネルギー、デジタル化などの分野で「持続可能な社会」を提示する。日本経済の起爆剤として期待されるだけに機運醸成が課題となる。

 政府は昨年12月に閣議決定した基本方針で「万博を契機に『課題解決先進国』として、一人ひとりが可能性を最大限発揮できる持続可能な社会を推し進める」と表明。万博で「ポスト・コロナ時代に求められる社会像」を示すとした。

 155ヘクタールの会場では「空飛ぶクルマ」を実体験できるエリアのほか、脱炭素社会に向け再生可能エネルギーを活用した展示などを検討している。仮想現実(VR)などの技術を導入し、足を運ばなくてもオンライン上で参加できる「バーチャル万博」を目指す。

 大阪府市は「REBORN(リボーン、生まれ変わり)」をテーマに地元パビリオンの準備を進める。今秋にインターネット上で「バーチャル大阪館」(仮称)を開設する計画だ。

 吉村洋文知事は産経新聞のインタビューに「地元パビリオンでは、健康・医療の分野で簡単にまねできない高付加価値の都市の魅力を発信する」と強調した。

 一方、会場建設費は当初計画の1・5倍の約1850億円に膨らんだ。サイバー空間を含むテロ対策や安全安心の確保も課題だ。

 国は、150カ国・25国際機関の参加を目標とし、開催期間中の来場者を2820万人と見込んでおり、若者らの関心を高め、コロナ後に訪日外国人客(インバウンド)を呼び込めるかが鍵になる。

 ■「半世紀後も素晴らしさ伝わるよう」 万博担当相 井上信治氏

 新型コロナ禍で人々の気持ちがすさみがちな時に、希望の持てる夢ある万博(の準備)を進めることは国民にとっていいことだ。「いのち」がテーマだが、感染症対策も含めライフサイエンス(生命科学)への国民の関心が高まっていて、非常に良いタイミングといえる。万博は、ライフサイエンスなどでの世界に冠たる日本の科学技術をアピールできる場だ。野口聡一さんや星(ほし)出(で)彰彦さんら日本人宇宙飛行士が活躍しており、宇宙に関連した良い展示もできたらと思っている。

 今夏に迫った東京五輪・パラリンピックと万博は二大国家プロジェクトだ。オリパラの機会も活用し万博成功につなげたい。万博開幕の年はSDGs(持続可能な開発目標)達成年である2030(令和12)年まで5年となる節目だ。パビリオンの出展者には、SDGsの17の目標から1つ選び展示に盛り込んでほしいとお願いする。

 温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」やデジタル化などは政府の最重要課題であり、万博を通じて取り組みを加速させたい。

 「空飛ぶクルマ」のように世の中にないものを始めると法整備などが課題となる。規制緩和や予算措置について関係府省庁と協議して進めたい。前例踏襲、省庁の縦割りでなく、失敗を恐れず新しいことに挑戦する。そのために国民の理解が重要だ。国民の期待があれば万博は必ず成功する。私自身が広告塔として先頭に立ち、半世紀たっても国民が素晴らしかったと思える万博にできれば幸せに思う。

 ■「夢・理想に近づくための実験場」 関西経済連合会会長 松本正義氏

 2025年の大阪・関西万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、万博を「未来社会の実験場」とすることをコンセプトとして開催される。世界中から知恵と技術を集結させ、世界が抱える諸課題の解決策を提示できる万博にしなければならない。

 特に、開催地である大阪・関西は、官民が一体となって自身の持つ強みを存分に活用すべきだ。例えば、水素をはじめとした環境・エネルギー技術、複数のデータの活用による来場者の健康長寿のサポートサービス、万博閉幕後のスマートシティーへの発展も視野に入れた「都市OS(オペレーティング・システム)」の構築など、先端的な技術やサービスを万博の場で積極的に実験、実装していく必要があると考えている。

 また、万博を一過性の「お祭り」に終わらせてはならない。万博で得た成果の具現化や、来場者や参画企業などの万博後の行動変容につなげていけるよう、レガシー(遺産)を確実に残していくこともあらかじめ意識して準備に取り組む必要がある。

 新型コロナウイルスの影響もまだ出口が見えない状況にあるが、万博が開催される2025年には世界はコロナを克服し、その先に開ける未来像を求めて幅広い主体が集まってくる絶好のタイミングとなるであろう。

 皆さんの夢や理想を実現するための「実験場」として、ぜひ多くの方々に、いろいろな形でこの万博にご参加いただきたい。

 ■「『やってみなはれ』でチャレンジ」 大阪府知事 吉村洋文氏 

 心身ともに健康に人生を楽しむ。高齢化が本格化する中、これは人類共通の課題だ。2025年大阪・関西万博でも、いかに豊かに生きるかが重要なテーマになる。地元パビリオンではライフサイエンスや食などの分野で大阪の強みを発揮し、50年後の未来社会を提示したい。

 パビリオンで命をテーマに発信するとき、説教じみたものでは来場者に響かない。万博という舞台は次世代の時空間を提供する場であり、中高生が胸をときめかせるエンターテインメント性が不可欠だ。笑いも取り入れ、本質的なテーマを楽しめる展示を目指す。

 大阪はもともと「やってみなはれ」の街だ。進(しん)取(しゅ)の精神を次世代に継承することで新たな産業、技術が生まれる。井上信治万博担当相も必要な規制緩和は進めると言っており、チャレンジを仕掛けていく。それでこそ「未来社会の実験場」というコンセプトを体現する万博になる。

 無理だという人もいるだろうが、人間のiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使い、心臓などの臓器をつくれないだろうか。可能性はゼロではないと思う。仮にできれば、臓器の病気で命を失うことはなくなる時代が来るかもしれない。

 万博で新たな医療技術を発信し、人生に希望を感じてもらうことができれば、レガシーにつながる。若い世代がイノベーション(技術革新)に意欲を燃やし、最新技術が当たり前になる社会をぜひ実現させたい。

 ■「大阪発 世界の課題に処方箋を」 大阪市長 松井一郎氏 

 世界が抱えているさまざまな課題を解決するための処方箋を示す2025年大阪・関西万博にしたい。日本がイノベーション大国として、新しいものを生み出す力がある、と世界中の人々に伝えられる機会にもなる。

 万博のメインテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」だ。開催決定前に新型コロナウイルス禍は想像していなかったが、命というものに真正面から向き合い、イノベーションを起こそうと取り組んできた。

 万博を通じ、世界中の人が感染症から身を守れる対応策を作り上げたい。地元パビリオンには、再生医療や創薬が非常に盛んな大阪のポテンシャルを結集させ、命と向き合っていく。

 民間のビジネスチャンスにつながることも期待している。大阪が、高い技術力がある大都市だということを世界に示せば、人や企業が集まってくる。日本には東京、大阪の二大都市があることを発信する。

 1970年の大阪万博は、見るもの、触るもの全てが新しい体験の連続だった。当時と比べて圧倒的に進化しているのがIT技術だ。オンライン上に「バーチャル大阪館」(仮称)を先行開業させることで、万博に対する若い世代の興味や関心を高めたい。

 70年万博では「太陽の塔」というハードのレガシーをつくった。今回は「健康・医療」や「食」などをキーワードとした参加型の万博だ。会場に足を運ぶ全ての人がレガシーとなり得るのではないか。

 ■バーチャルな大阪体験

 地元パビリオンを出展する大阪府と大阪市は、インターネット上で仮想現実(VR)を体験できる「バーチャル大阪館」(仮称)を今秋にも開設する計画だ。利用者の意見を実際の展示内容に反映させるほか、万博開幕への機運醸成の役割も期待されている。

 府市は、生まれ変わりや再生を意味する「REBORN(リボーン)」をテーマに、地元パビリオン「大阪健康館」(仮称)を万博会場に出展予定。ライフサイエンスに関する展示を中心に、大阪の先端技術や食文化などを発信する。

 ネット上に先行開業するバーチャル大阪館では、利用者が自身のキャラクター「アバター」として国内外から参加できる。大阪健康館の展示内容を試行的に示すほか、リアルに再現された大阪城や道頓堀といった大阪の観光名所、音楽ライブのようなイベントが体験できることになりそうだ。

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