災害情報をリアルタイムで共有 SNSで迅速に発信、AIで分析も(産経新聞)

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出典元:産経新聞

豪雨などの自然災害の発生時に、会員制交流サイト(SNS)や人工知能(AI)を活用して救助・被災情報を発信する動きが本格化している。7月に九州や中部地方で発生した豪雨でも、災害状況を利用者が共有するスマートフォン向けアプリが一定の効果を上げた。ツイッターの情報からAIが被災場所を割り出し地図に表示するシステムも開発され、政府もLINE(ライン)による避難情報の提供を検討。災害が多発・激甚化する中、被災情報をいち早く詳細に把握、共有することが何より重要になっている。

【写真】「災害マップ」にユーザーが投稿した内容

■リアルタイムで共有

 《大上戸川が一気に増水した。大木も流れて来てる》《普段は足首程度の川が2m近く水位が上がっている》《家の横の川と道路と田んぼの区別がわからなくなっています》

 甚大な被害をもたらした7月の記録的な豪雨。検索大手ヤフーが提供するアプリ「災害マップ」には、瞬く間にさまざま情報が寄せられた。

 アプリは3月から提供を開始。ユーザー同士で自身がいる場所の地図とともに災害状況を発信、共有する仕組みで、身近に迫る災害情報を早期に知ることで避難判断に役立てることが目的だ。九州を中心に大雨が降った7月3日~8日に、1万6810件もの投稿があった。

 ヤフーで天気や災害を担当する田中真司さんは「現在地と気象状況を照らし合わせることで、危険度の高まりを刻一刻と把握することができる。家の裏の川や近所の川がどうなっているかを知れることで、不要な外出をしなくてもよくなる」と効果を話す。

 災害時には、インターネット上で真偽不明の情報やデマが飛び交うことが問題となってきた。同アプリでは、位置情報を利用可能にした状態で、災害の危険が迫っていることを知らせるプッシュ通知を受け取ったユーザーのみが情報を投稿できる仕組みになっている。

 田中さんは「自治体も避難情報を防災速報で出してはいるが、すべての人を避難させるのは限界がある。リアルタイムの情報を可視化することで、避難の必要性の後押しにもなる」としている。

■AI活用も

 災害時の情報発信にネットを活用する動きは活発化している。昨年10月の台風19号の際、千曲川が氾濫するなどした長野県では、ツイッターの投稿がきっかけとなり、50件以上の救助につながった。

 災害時に投稿される大量のツイッター情報を災害対策に活用しようと、NECは、AIが投稿の中から必要な情報だけを抽出し、可視化するシステムを開発した。「河川の氾濫」「冠水・浸水」「インフラ被害」などに分類して整理し、自治体別に何件の投稿があるかも一目で把握できる。被災現場を地図に表示し、救助を待っている人の場所や、必要な救援物資も分かるという。

 一方、ラインは気象情報会社ウェザーニューズ(千葉市)と共同で、災害時にAIが住民からの問い合わせに自動で応対してくれるアプリ「AIチャットボット」を開発、運用している。利用者が質問を入力すると、気象情報や避難所の場所、物資の確保など災害復旧や生活再建に必要な情報を会話形式で24時間いつでも教えてくれる。

 国も本腰を入れ出している。

 内閣府は6月、防災に最新テクノロジーを活用するための方策を取りまとめた。SNSなどを使って国民一人一人に的確な避難情報を提供するシステム開発を目指す。災害で通信手段が途絶した場合、人工衛星やドローンを経由して安否情報や危機管理情報を伝達するサービスも推進する方針だ。

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