「すい臓がんのスペシャリスト」はなぜ起業を思い立ったのか【ビジネスの発想を学べ!】(日刊ゲンダイDIGITAL)

出典元:日刊ゲンダイDIGITAL

【ビジネスの発想を学べ!】

 がんリスク検査「サリバチェッカー」開発 砂村眞琴さん

 日本人の2人に1人がなるといわれる。年に1回の検診だけでは不安という人も多いだろう。かといって人間ドックは高くつくし、そもそも忙しくて受けるヒマがない……。そうした人たちの注目を集めているのが、唾液1滴で検査できるがんリスク検査「サリバチェッカー」だ。唾液中の代謝物をAIで解析することで、体に負担をかけることなく男性は肺がん・大腸がん・すい臓がん・口腔がん、女性はそれらに乳がんを加えた5種のがんの罹患リスクを判定できる。2017年のリリース以来、全国1100の医療施設で導入。コロナ禍で家庭用キットも好評だ。

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 このサリバチェッカーを開発・販売しているのが山形県鶴岡市に本社がある「サリバテック」。代表取締役の砂村眞琴さんは現役の医師で、東京・練馬の「大泉中央クリニック」の院長でもある。もともとは東北大学の医学部でがん研究やがん治療にたずさわってきたスペシャリスト。会社の社長、病院の院長、二足のわらじを履くのには、「もっと早くがんを発見できれば、より多くの命を救えたはず」という医者としての後悔がある。

 生まれたのは東京・葛飾区。母方の祖父が同地で開業医をしており、その別宅で生後しばらく暮らした。さかのぼれば伊達藩の藩医という名家。ただし父は普通のサラリーマンで、幼稚園の入園時に練馬区に買ったマイホームに引っ越している。

 高校は世田谷の東京学芸大学付属に進学。当時盛んだった学園闘争や学生運動の影響で学校がバリケード封鎖され、授業もほとんどなかったため、入学直後から部活のサッカーに明け暮れた。

「当時としては珍しい芝生のグラウンドがあって、釜本や杉山といった日本代表のスター選手も練習に来ていました。それを間近で見たくて、入学したようなもんです(笑い)」

 3年生になってもほとんど授業を受けず、ベトナム反戦デモに参加するなどしていた。そこではやりの反体制思想に触れ、さらには祖父が開業医だったこともあり「父親のような会社に使われる人生は嫌だ。自由に生活できて、人の役に立つ仕事をしたい」と、医者を志す。

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