出典元:夕刊フジ
【ダッグアウトの裏側】
米大リーグのレギュラーシーズンは今月27日(日本時間28日)で終了。中1日でポストシーズン(PS)が始まる。
今季に限り、PSには全30球団の過半数である16球団が進出できる。両リーグの各地区2位までと、3位の勝率上位2球団。このコラムを書いている8日(同9日)時点で、ア・リーグ最後の8番目の切符を得るのは、5連敗で21勝21敗の勝率5割と失速しているヤンキース(東地区3位)になる。
PS争いとともに気になるのが開催地だ。新型コロナウイルス感染予防のために移動を極力避けなければならず、従来のホーム&アウェー形式は困難。米プロバスケットボールのNBAや北米プロアイスホッケーのNHLを参考に、限定地域での集中開催を検討しているようだ。全選手が遠征となれば、行動範囲を宿舎と球場だけに限定することも容易になる。
NBAはフロリダ州オーランド近郊、NHLはカナダのトロントとエドモントンで年間王者を争っている。米メディアによれば、大リーグではア・リーグがカリフォルニア州、ナ・リーグはテキサス州でのPSを検討中という。カリフォルニア州ではドジャースとパドレス、テキサス州ではアストロズとレンジャーズの球場が候補。これなら別リーグの都市でプレーすることになるので、不公平感も少なくなる。
ワールドシリーズの舞台にはレンジャーズの新球場、グローブライフ・フィールドが挙がっている。昨季まで26年使用した旧本拠地の隣に総工費12億ドル(約1315億円)をかけて建設した開閉式ドーム。昨年12月に火災騒ぎがあり、今季オープンもコロナ禍で遅れたうえに、試合は無観客で行われている。
レ軍は現在、ア・リーグ西地区の最下位。新球場でワールドシリーズが開催されても、プレーする可能性はない。これも前例のないシーズンを象徴する出来事として記憶されるのだろう。(サンケイスポーツ編集局次長・田代学)