フジサンケイクラシック優勝・星野陸也 腹筋と背筋を意識して高低に打ち分ける(夕刊フジ)

出典元:夕刊フジ

【勝者のワザ】

 ツアー屈指のタフなコースでの戦いを制したのは星野陸也だった。堀川未来夢とのプレーオフを3ホール目に決着させての大会2勝目。最大の武器になったのは得意のドライバーショットであった。長身で大きなスイングアークからロングドライブを打ち出す。

【写真】ツアー初優勝した星野陸也

 飛ばすだけでは、絶対的な武器にはならない。星野は、ホールのたたずまいや、風向きによって高低の打ち分けや弾道操作でコントロールするのが巧みなのだ。狭いホールで曲げたくない。でも、距離も出したい。そんな状況では、低い弾道で、なおかつランの出る低スピンのショットでフェアウエーをとらえていく。この技術は、逆風の中でのショットにも応用される。

 この打ち分けは、主にアドレスでのボール位置を変えることで実践されている。「低い弾道のときは、ボール1個分内側にセットして、ティーアップも低めにする」と、星野は解説する。

 星野は、準備すれば、それができるだけの練習を積み重ねてきたのだが、アマチュアの場合、そうはいかない。実は、高低の打ち分けでは、こうした準備の他に意識すべきことがある。

 高い弾道を打ち出そうと思えば、大きく、高いフォロースルーをとっていく必要がある。低い弾道では、ボールを打ち抜くまで前傾角度をキープしてフォロースルーを低く、長く出していく動きがポイントになる。前者は、強い背筋がカギになり、後者は腹筋の働きが欠かせない。

 エクササイズで、体感することができる。ショートアイアンでいい。ボールを右足寄りにセットしてアドレスし、そこからバックスイングなしで、フォロースルーだけでボールを飛ばしてみよう。10ヤードでも20ヤードでもいい。低く、長くフォロースルーをとろうとすれば、ボールから目を離さずに胸を下に向けたままの態勢になり、腹筋に力が入っていることを実感できる。また、右手でボールを目標方向に押し出していく感覚がつかめる。

 高く、大きなフォロースルーをとろうとすれば、左腕が主役になり、背筋が働く。ボールを見ておくのは一瞬で、顔は目標方向にターンし、上半身も早めに起き上がる。

 このエクササイズを交互に行うと、意識すべきことが明確になり、打ち分けに役立つ。

 ■星野陸也(ほしの・りくや) 1996年5月12日生まれ、24歳。茨城県笠間市出身。6歳でゴルフを始め、水城高時の2013、14年に「関東ジュニア選手権」連覇。16年夏に日大を2年で中退し、QTで1位通過。同8月にプロ転向。17年にシード権獲得。18年「フジサンケイクラシック」でツアー初優勝、19年「ダンロップ・スリクソン福島オープン」で2勝目。得意クラブはドライバー。1メートル86、76キロ。家族は両親と姉、妹。愛称は“リッキー”。

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