出典元:AP通信
ダーウィン、オーストラリア、9月15日(AP)― オーストラリア北部ノーザンテリトリーのワニが生息する濁った川にザトウクジラが迷い込み、同地の海洋学者らを当惑させている。
北部準州のカカドゥ国立公園内を流れるイースト・アリゲーター・リバーで9月2日、少なくとも3頭のザトウクジラが目撃された。
海洋生物の専門家は、大海原を回遊するクジラがどうして海から20キロも内陸部の、それも濁った川に迷い込んだのか、そしてどうやって外洋に導き出せばよいのか、その方法に頭をひねっている。
目撃されたのは大人が2頭と子どもが1頭、体長は10メートルから12メートルはあったという。
ちなみに、クジラが目撃された川は、イースト・アリゲーター・リバーという名称だが、オーストラリアにアリゲーターはいない。いるのはクロコダイルで、ヨーロッパの探検家がこの2種類の違いが分からず、アリゲーター・リバーと名付けたのではないかといわれている。
北部準州政府のクジラとイルカの専門家によれば、1頭はまだ確実に川にいるということで、録音したクジラの鳴き声を聞かせて海に誘導するか、数隻のボートを出して一斉に船べりをたたいて海に追い出すか、方法は2択だという。
録音した鳴き声で誘導する方法はサンフランシスコ湾で成功しており、船べりをたたくやり方は、タスマニア島でクジラを外洋に追い出した際に採用された方法だという。
(日本語翻訳・編集 アフロ)