出典元:日経ビジネス
1枚のツイッターの写真が、“妙な波紋”を広げている。
映っているのは、夕食が用意されたダイニングテーブルに座る夫と、その横に立つエプロン姿の妻。2人ともマスクをして、とても仲が良さそうな空気が漂っている。
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「夜のテレビ出演の合間に、地元から上京してきてくれた妻が食事を作ってくれました。
ありがたいです。」――。
このコメントとともに写真を投稿したのは、自民党総裁選に立候補を表明した岸田文雄政調会長だ。
「政治家=料亭」というイメージだが、あえて「家庭の一こま」を投稿したのは「庶民派」をアピールしたかったのだろう、……と個人的には推測している。
●政権構想発表会で「事情説明」
が、岸田氏の意に反して、投稿はプチ炎上した。
投稿直後からコメント欄には、「まるで召使」「お手伝いさんかと思った」「対等な関係とは思えない」「女性観古過ぎ」「これで好感度上がると思っているのか?」「なぜ、座らせない?」「立ってるってどういうこと?」などなど否定的な意見が殺到。
「夫婦円満いいですね」「何でもケチつけ過ぎ」といった意見も交じっていたけれど、一部メディアがこの“プチ炎上”を取り上げ、「日本のリーダーを目指す政治家としてあまりに無自覚過ぎる」と一刀両断した。
と、今度はその記事に対し、「その通り!」「どこが悪いんじゃ!」と賛否両論入り乱れ、9月3日に行われた岸田氏の「岸田ビジョン(政権構想)」の発表会で、岸田氏が記者の質問に「事情説明」する事態に発展したのである。
……ふむ。な、なんだろう。コレ。
もっとも、どちらの言い分もわかる。
日本のジェンダー格差が世界最低レベルであることを鑑みれば、「どこぞのおじさんの投稿じゃないんだからさ~」と突っ込みたくなるかもしれないし、何でもかんでも批判することが仕事になっている人があふれるご時世なので「批判されてナンボ」と捉えることもできるだろう。