出典元:産経新聞
【ワシントン=黒瀬悦成】安倍晋三首相の後継を決める自民党総裁選で、菅義偉官房長官が圧倒的な支持を得て次期総裁に選出されたことに関し、米主要紙は菅氏の政治的立場や人物像に関し一斉に報じた。
【表】予想される「菅内閣」の主な顔ぶれ
ワシントン・ポスト(電子版)は14日、菅新総裁の誕生は「(安倍政権の)経済および外交政策の継続が確約されたことを意味するものだ」と論評した。
同紙はまた、菅氏が安倍政権下で枢要な役割を果たしてきたことから、自身が首相になっても安倍政権を踏襲し、「外交分野では米国との同盟関係を中心に据え、アジア太平洋地域の民主主義諸国と連携を深めつつ、中国と比較的良好な関係を維持していくだろう」と指摘した。
ウォールストリート・ジャーナル(同)は「菅氏は外交政策に関する経験が少なく、12日の自民党総裁選候補の討論会でも中国に対する自身の立場に関し言及を避けた」と伝えた。
同紙は、安倍首相がトランプ大統領と強力な友情を築き、中国とも関係を改善させたのに対し、「菅氏は(安倍首相のような)綱渡りを演じるのは困難だろう」との見方を示した。
ニューヨーク・タイムズ(同)は、菅氏が総選挙までの「暫定首相」に終わるか、総選挙後も首相の座にいられるかは、新型コロナウイルスや延期された東京五輪、(米国と)中国との緊張激化といった「喫緊の経済的、地政学的な懸案にどう対処するかにかかっている」と分析した。