出典元:tvkニュース(テレビ神奈川)
いまだわからないことが多い新型コロナウイルス。再感染の可能性があるのかというのもわかっていないことの一つです。こうした謎の解明に迫る最新の抗体研究が横浜市立大学で始まっています。
7月に行われた記者会見。 横浜市立大学は、新型コロナウイルス感染症から回復した人の半年後、1年後の抗体を調べる、国内初の大規模なプロジェクトを発表しました。 これは新型コロナウイルスの最新のCG画像です。 表面に突起がついていて、これがヒトの細胞に結合し体内に侵入することが分かっています。
ウイルスに感染したあと体内では抗体が作られ、細胞とウイルスが結合するのを阻止します。 これを中和抗体といいます。 これが、いわゆる免疫がついた状態です。 しかし、実は体内では様々な種類の抗体が作られていて、中和作用を持たないものもありますが、一般的な抗体検査ではその判別は難しいとされています。
横浜市大の梁教授「ウイルスの抗体というのは抗体があるイコール感染を阻止できるというわけではない抗体の中に実際に新型コロナウイルスの感染を阻止できる抗体があるかどうか中和抗体が実際に存在しているかを測定しています」
今回の研究では新型コロナウイルス感染症から回復した重症から無症状の元患者およそ4000人の血液から血清を採取し、最新の検査機器を用いてどのような抗体が作られているかを調べます。 さらにその中でどの程度、中和作用を持つものがあるのか、時間がたっても感染を阻止する作用が続くのかを調べ、今後の治療薬やワクチンの開発に生かしていく考えです。
治療した病院を経由しての血液の提供に加え、個人での協力も呼びかけたところ1カ月で500人以上から検体が集まりました。 今月から検体の解析が始まり、来月には、中間報告を発表できる見通しです。 また、別の研究所では国内最先端の解析機器を使ってウイルスや細胞を構成するタンパク質の研究が進められていて、新型コロナウイルスの実態に迫ろうとしています。
横浜市大の梁教授「患者の検体を用いてこの病気がどういうメカニズムで引き起こされるかとか、メカニズムを理解することが重要できるだけ早く理解を深め新しいワクチンや治療法の開発に結び付けたい」