雅子さま55歳 活動の幅広げられ(産経新聞)

9日に55歳の誕生日を迎えた皇太子妃雅子さまはこの1年、療養前以来の公務を果たすなど着実に活動の幅を広げられた。新皇后となるのを控え、専門家から子供の貧困など関心事の話を聞かれる機会も増加。公務が自信につながっている現状を東宮職医師団は「望ましい」と評価した。

 11月9日に催された平成最後の秋の園遊会。雅子さまは負担が大きいとされる和服姿で、療養前以来15年ぶりに全行程に参加された。前を歩かれる天皇、皇后両陛下、皇太子さまとの距離が開くのを気にせず、招待者一人一人に丁寧に声をかけられていた。

 9月下旬、昨年の豪雨被災地見舞いのため1泊2日で福岡県を訪れ、帰京翌日に東京都内で国際交流イベントにご臨席。泊まりがけの地方訪問の後に外出されての公務が続いたのは「療養に入ってから初のケース」(東宮職)だった。

 15年ぶりの臨席だった5月16日の全国赤十字大会では、皇后さまが雅子さまを出席者に紹介するように並んで一礼される場面があり、雅子さまは誕生日の感想の文書で「温かいお心遣い」と謝意を示された。

 東宮職医師団は「さまざまな行事に意欲的に取り組まれた」と指摘。一方、園遊会での負担を考慮し、直前の山形県訪問を控えられたこともあり、「依然としてご体調には波がある。大きい行事の後や行事が続いた場合、疲れがしばらく残り、ご体調が優れないこともある」(同医師団)。

 来春以降、代替わりの儀式が続くことを見据え、同医師団は「無理をせず、周囲の理解と支援を受けながら、治療を続けていただくことが大切」と強調した。

■子供、環境…「次世代」への思いも

 「健全な形で将来の世代に引き継いでいくために、私たちが何をすべきなのか」-。雅子さまはご感想の中で、子供の貧困や難民、地球温暖化、環境問題などを「国際社会が一致して取り組む必要のある課題」として例示し、次世代への思いもつづられた。

 雅子さまは国内では貧困や虐待、国外では内戦や紛争を挙げ、社会的弱者に及ぼす影響をご憂慮。全ての人が安心して暮らせる社会の実現のため「それぞれが真剣に考えていくことが必要な時代」とつづられた。また、東京五輪・パラリンピックなどが「日本と世界の交流や相互理解が深められていく機会」となることも願われた。

 この1年は関係省庁幹部から環境や子供をめぐる問題について講義を受ける「ご進講」も増やされ、前年(7回)から14回に倍増。ご夫妻で熱心に耳を傾けられた。皇太子さまもライフワークとする「水」問題から派生した同様のテーマに言及されることが多く、新天皇、皇后の活動の軸の一つとなりそうだ。

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