夢あきらめないで 東大阪市の社長が資金援助 スピーチコンテスト パラスノボ成田緑夢も入賞(産経新聞)

出典元:支援した若者が夢を叶えて出版した絵本を手に喜ぶ青少年夢応援隊の植田稔代表理事=大阪府東大阪市

大阪府東大阪市の中小企業経営者が、夢を追いかける若者にスピーチコンテストを通して資金援助する活動を続けている。コンテストには、今年の平昌(ピョンチャン)冬季パラリンピックのスノーボードで金メダルを獲得した成田緑夢(ぐりむ)選手(24)も参加し、援助を受けた。経営者は支援の輪を広げようと、一般から毎月500円の寄付を募るワンコイン運動も展開している。

 経営者は、スマートフォン用ケースなどを企画販売する「サンクレスト」社長の植田実さん(65)。活動を始めた理由は「神様との約束」だという。約24年前、当時10歳だった長男が、ステージ3の耳下腺(じかせん)がんと診断。がん細胞は首にも転移し、医師からは「助かりにくい」と告げられた。

 「せめて20歳まで生かしてほしい。そのためには何でもする」と夫婦で地元の神社に祈願した。治療のかいもあり、長男は無事回復した。「神様は約束を守ってくれた。いつか、子供を守る取り組みをしよう」と心に秘めた。

 しばらくは経営に追われる日々が続いたが、業績も落ち着いてきた平成24年、若者を支援する一般社団法人「青少年夢応援隊」の設立にようやくこぎついた。

 家庭環境や経済的理由で夢をあきらめざるを得ない若者に資金援助し、国際人に育てることを目的に掲げており、メンバーは元会社役員ら11人。翌25年からは毎年、「夢」をテーマにしたスピーチコンテストを東大阪市で開催している。

 大阪府内在住か通学・通勤の16~25歳が対象で、作文の選考を経て10人がコンテストに出場。入賞者に10万~50万円を支給する。これまでに6回開催したコンテストには計170人が応募。31人が入賞し、大学や専門学校への入学金や海外留学費、教材購入費に充てられたという。年間200万~400万円にのぼる運営費や支援金は植田さんが負担している。

 28年には成田選手も応募した。「平昌パラリンピックに出たい」という夢を訴えて入賞し、10万円を獲得。コンテスト後の懇親会で「海外遠征する資金が足りない」と相談を受けた植田さんが紹介した会社社長がスポンサーについた。このほか、26年には「日本語と英語を併記した絵本を出版したい」とスピーチし、入賞した当時高校3年の女性も夢の実現を果たした。

 植田さんの最終的な夢は「20年で千人を海外留学させる」ことだ。このために一般から毎月500円を寄付するワンコイン運動にも力を入れている。賛同者の目標は10万人とハードルは高いが、「夢を実現する若者が大阪、日本を変えてくれる。少しでも多くの人に協力してほしい」と訴えている。

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