性的少数者向けの下着開発 支援団体が滋賀県の繊維組合と(産経新聞)

心と体の性が一致しない「トランスジェンダー」向けの補正下着を、LGBT(性的少数者)の支援団体「一般社団法人LGB.T」(大阪市住吉区)が開発した。トランスジェンダーの当事者でもある麻倉ケイト代表理事は「心の性に合った服装は、私たちにとって精神的な安定につながる」と語り、来年4月からインターネットで販売する方向だ。(北村博子)

 「下半身の膨らみが気になって年中スカートしかはけない」「胸を押さえつけるタイプのインナーを使っているが、苦しい」-。トランスジェンダーの当事者たちが抱える下着に対する悩みだ。自らの体に合う下着探しは、当事者にとって大きな苦労といってもいい。

 麻倉さん自身も男性の体で生まれ、女性の心を持ち、同じような悩みを抱えてきた。「見えないからいいというものじゃない。自分に合う下着がないと、社会から阻害されたような気持ちになる」と明かす。

 麻倉さんらは下着作りを模索し、さまざまな業界団体に声をかけていたが難航。手を挙げたのが日本で唯一、補正下着の縫製を地場産業とする滋賀県彦根市の「ひこね繊維協同組合」だった。海外製品に押され気味の同組合にとっても新たな販路拡大へ期待が持てる一方、「下着業界におけるLGBT市場の道筋をつくりたい」(野村和行・組合事務局長)という意見もその思いを後押しした。

 滋賀県の基金を活用するなどして資金を準備した両者は6月には当事者らの意見を基にした6種類の試作品を完成させた。実際に当事者に毎日身に着けて生活してもらうなど、微調整しての試着や試作を繰り返し、ようやく完成にこぎ着けた。

 特に組合側が「一番苦労が多かった」とするのは、胸をつぶし男性的な胸囲を作るタイプのシャツ。完全に押しつぶさずに段差の隙間を詰め物で埋めるなど、逆転の発想で平らな胸板を実現した。「フィット感が抜群なのに締め付け感がない。最初の試作品と比べると格段に着心地が良くなった」と試着モニターらも絶賛だったという。

 今回商品化するのは男性の骨格に合うブラジャー、ショーツ、スパッツのほか女性の体形を男性の体形に近づけるボクサーパンツ、シャツの5種類で、一部は特許を出願。来年4月をめどに販売する方向だ。

 麻倉さんは「体形のコンプレックスを解消できる着心地のいい下着を適正価格で提供していければ」と話している。

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