「万博誘致」大阪のライバル、ロシアなど追い込み熾烈(産経新聞)

出典元:9日、パリで万博フォーラムに出席した後、記者会見する吉村洋文・大阪市長(三井美奈撮影)

23日に迫った2025年国際博覧会(万博)の開催地決定を前に、大阪と争うロシア・エカテリンブルクが、重要閣僚を誘致活動の責任者に据えるなど、国を挙げての活動を際立たせている。プーチン大統領は中国やインドに支持を呼びかけ、南米、アフリカには資源関連企業を通じて攻勢をかける。ただし、アフリカに関しては「どこに行っても日本の存在があった」と大阪への警戒感を募らせる。アゼルバイジャン・バクーも水面下で活動を活発化させているとみられ、最終盤に入った誘致レースの行方は見通せない。(黒川信雄)

 現地メディアによると露当局は6月、誘致活動の責任者に今春の大統領選後に第1副首相兼務になったシルアノフ財務相を任命した。同氏は11年から財務相を務める政権の重鎮だ。

 誘致委のトップも、大型国際イベント招致を相次いで成功させた実力者に代えた。14年のソチ冬季五輪や今年のサッカー・ワールドカップ(W杯)誘致で中心的役割を担ったチェルノフ氏だ。同氏は7月、露経済紙「RBK」(電子版)に、誘致委がこれまで十分開拓できなかった票田として「アフリカと南米」を挙げ、各地域で活動するロシア企業を通じ誘致を図る考えを明らかにした。

 南米、アフリカでは政府系天然ガス企業「ガスプロム」や国営石油最大手「ロスネフチ」などが事業を展開しており、同氏は「エカテリンブルクに有利に働く」と強調した。一方で、アフリカでの誘致では「どこに行っても日本の存在があった。政府、誘致委、投資のいずれでもだ」と話した。

 政権首脳らも誘致を後押しする。プーチン大統領は7月、南アフリカで開催された新興5カ国(BRICS)首脳会議で中国、インド、ブラジル、南アの首脳に直接アピール。ラブロフ外相も9月、国連で演説し、「ロシアは160年にわたり万博に参加しているが、一度も開催していない」と述べ支持を訴えた。

 もう一つの候補、バクーをめぐっては、現地の関係筋は「市内で盛んに誘致活動が行われている状況はない」と明かす。ただアリエフ大統領の独裁的体制が色濃いアゼルバイジャンでは、国民の支持は必ずしも重要ではないという。対外的な活動はあまり明らかになっておらず、水面下で展開しているとみられる。

 一方、日本政府は10月9日、フランス・パリで博覧会国際事務局(BIE)加盟国の代表らを招いた万博誘致フォーラムを開催。吉村洋文・大阪市長らが支持を訴えた。

 開催地は、今月23日にパリで開かれるBIEの総会で、加盟170カ国の投票で決まる。1回目の投票で3分の2以上を得票する国がなければ、上位2カ国による決選投票が行われ、過半数の支持で決まる。

 バクーの現地関係筋は「ロシアとの関係の深さから、1回目の投票で自国が敗れれば決選投票でロシアを支持するだろう」と指摘。ただ、アゼルバイジャン支持国がロシア支持に回るかは「分からない」としている。

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