NHK郵便割引使わず 騒音対策地が菜園に 文化財耐震診断怠る… 税金や制度の「無駄」指摘(産経新聞)

出典元:東京・渋谷のNHK放送センター

会計検査院が9日に公表した平成29年度の決算検査報告では、国民生活に関わる指摘が目立った。法令違反を指摘するだけでなく、事業の効率性を検証するなど「検査の質」を重視する傾向がうかがえた。

 NHKは衛星放送の契約を勧めるダイレクトメールを約659万通発送し、郵便料金3億8398万円を支出していたが、「広告郵便物」の割引制度を利用しなかったため、4658万円割高になっていた。

 防衛関連では、北海道の航空自衛隊千歳基地と東京の横田基地周辺で、騒音対策の緩衝地帯の管理が不十分だったため、国有地約4万8200平方メートルが近隣住民らに駐車場や家庭菜園などとして使用されていた。

 東日本高速道路(NEXCO東日本)やNEXCO西日本、NEXCO中日本の3社では、橋梁部の舗装補修工事で必要のない防水シートを使用していたことが判明。計1億1160万円低減できたと試算した。

 国民の安全に関わる問題も浮上した。NEXCO3社が保守管理を委託した子会社が実施したトンネル点検では、点検要領で指示されたファイバースコープなどを使わず、目視やパネルを揺らすなどの確認で済ませていた。速やかな対策が必要と判定された6669カ所のうち4579カ所で、補修などの工事契約が未締結のままだった。判定から2年以上経っていた場所も1474カ所あった。

 一般公開されている文化庁所管の重要文化財では、予備診断で「耐震性に疑義がある」と判定された423棟のうち、9割近くの373棟で正式な耐震診断を実施していなかった。

 徴税業務では、38税務署で税額の誤りなどを見過ごし、25~29年度で徴収額が計2億6237万円不足していた。

 大阪府泉南市では「ため池ハザードマップ」の作成を業者に委託する際、必要項目を仕様書に明記せず、浸水想定区域など必要な情報が記載されていないマップができてしまった。

 農林水産分野では、鳥インフルエンザの蔓延を防止するために備蓄している緊急ワクチンが必要数を上回っていたことが判明。3093万円分が過大とした。

 原子力規制委員会では放射能検査機器など物品管理の不備が明らかに。委託事業で取得した機器2146個(計184億4604万円)のうち87個(計5億6740万円)が物品管理簿に記録されていなかった。

 教育分野では、授業料以外の教育費に充てる目的の奨学給付金制度で、保護者に代わって高校などが代理に受領する仕組みが整備されていない都道府県が12府県あった。未整備の府県では教育費が未納となっていたことを理由に26~29年度に延べ60校193人の生徒が卒業証書授与を保留されたり、除籍処分を受けたりする不利益を被っていた。

 介護サービスを受けていない要介護者の家族のための慰労金が、対象外の介護サービスの利用世帯にも給付されていたことも判明。66市町村で27、28年度に給付された8億9063万円うち本来対象だったのはわずか9161万円だった。

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