来年で裁判員制度10年 長期化する審理支える工夫を(産経新聞)

審理期間が207日で過去最長となった神戸地裁姫路支部の裁判員裁判。裁判員の選任手続きで400人以上が辞退し、公判が始まってからも、裁判員6人のうち3人が途中で辞退を申し出て交代した。今回のように長期化する裁判には、複雑で重大な事件も多い。来年で裁判員制度のスタートから10年を迎える中、裁判員の負担軽減が求められている。

 これまでの裁判員裁判で最長だったのは、女性2人を殺害するなどした九頭竜湖女性殺害事件(名古屋地裁、平成28年11月判決)の160日。このほか、京都、大阪、兵庫3府県で起きた連続青酸死事件(京都地裁、29年11月判決)や、兵庫県尼崎市の連続変死・行方不明事件(神戸地裁、27年3月判決)も100日を超えている。

 最高裁のまとめでは、裁判員裁判の初公判から判決までの平均期間は、制度が始まった21年は平均3・7日。だが、毎年日数は伸びていき、昨年は同10・6日と初めて10日を超えた。内容でみると、自白事件の場合は平均7・2日(昨年)だったのに対し、否認事件は同13・5日(同)と長くなる傾向にある。

 甲南大法科大学院の渡辺修教授(刑事訴訟法)は長期化の背景について「複雑な人間関係を背景にした事件が増え、立証に時間がかかるようになったこともある」と分析。裁判員制度について「もともと量刑判断などに市民が責任の一端を負うのが制度の目的」とした上で、「その負担を社会が背負えるようにすることが重要。広い地域から裁判員候補を集められるようにしたり、土日や夜間に開廷したりして制度を支える工夫をすべきだ」と指摘している。

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