都構想住民投票、漂う不透明感 距離置く公明に自民接近、維新は不信感(産経新聞)

出典元:定例会見で記者の質問に答える大阪府の松井一郎知事=7日、府庁

大阪都構想の実現に向けた住民投票の実施時期をめぐり、各党の駆け引きが激しさを増してきた。推進派の大阪維新の会(代表・松井一郎大阪府知事)が掲げてきた「来年5月」のスケジュールに対し、協力が欠かせない公明党が距離を置き始め、制度設計を話し合う法定協議会では次々と問題点を指摘するなど、議論を取りまとめたい維新とは裏腹の動きを見せる。再度の住民投票阻止を掲げる自民党も公明に接近し、先行きは不透明になってきている。

 ■募る不信感

 「今の議会の構成で多数決をやってもらう」

 松井氏は7日の知事定例会見で住民投票までの手続きを問われ、これまでと同じ考えを強調した。一方で「時間的に間に合えば」と前提もつけた。

 住民投票を実施するには、都構想の協定書が大阪府市両議会で承認されなければならない。いずれも過半数に届かない維新にとって「多数決」に勝つには公明の協力を仰ぐしかない。

 来年4月の統一地方選では府市両議会の議員選も行われる。「今の議会構成」にこだわるなら2~3月の議決が必須だ。

 公明も住民投票の賛否自体は保留としながら、大都市制度改革には一定の理解を示してきた。

 しかし来年は統一選のみならず、夏の参院選が控える。「われわれの選挙は命がけ。参院選まで住民投票を考える余地はない」(公明市議)と、維新が掲げる来年5月ごろの実施に反対論が強まってきた。

 法定協の場では、公明の議員が次々と都構想の問題点を指摘。維新側は「時間稼ぎでは」と不信感を募らせている。

 ■自民は活路

 こうした状況に活路を見いだしているのが自民党だ。平成27年の前回住民投票で維新が敗北し、旗振り役だった橋下徹・前大阪市長が政界を引退してから、維新の求心力は低下している。もし統一選で維新が現有議席を減らし、公明が住民投票に反対に回れば、実施に至らない可能性も出てくるからだ。

 「一致協力して、維新から大阪を取り戻していきたい」。10月下旬、自民党大阪府連の大会では、左藤章府連会長が統一選を控える府市議にこう語った。

 自民は公明に対し、法定協打ち切りなどを求め、水面下で働きかけを強めている。自民府議団幹部は「来年の統一選と参院選は維新との『最終決戦』になる」と指摘。共産党も「都構想は1回目の住民投票で決着済み。新たな住民投票は許されない」と対決姿勢を強めている。

 ■交渉材料は?

 今後ポイントとなるのは維新が公明側との協議で仕掛ける交渉戦術だ。

 前回住民投票の際は、当時代表だった橋下氏らが公明現職がいる衆院選挙区へ「刺客」として出馬する可能性に言及。公明が住民投票賛成に突然転じた経緯があるだけに、各党は警戒をゆるめていない。

 また維新内部では、今月23日に行われる2025年国際博覧会(万博)の開催地選挙が鍵になるとの見方も出ている。大阪が開催地に決まれば、これまで松井氏と大阪市長の吉村洋文氏が誘致活動の前面に立ってきただけに「住民投票に追い風になる」というわけだ。

 ただ万博誘致は自公連立政権のもとで進められてきた経緯もある。公明議員は「万博はオールジャパンで戦ってきた。(誘致に成功しても)維新のみの功績にならない」と牽制(けんせい)。万博の扱いをめぐっても、各党の思惑が複雑に絡み合っている。

http://ken2.link/ymp2/wp-admin/widgets.php

コメントは受け付けていません。