「言葉を心に届ける」…大河、朝ドラ俳優が口伝する朗読術(産経新聞)

出典元:産経新聞

伝えたいことを正しく伝える力を養うことを目的に、舞台俳優、声優、演劇指導などで活躍する壌(じょう)晴彦さん(74)を講師に朗読法を指導する株式会社「朗読」が松山市に設立され、会員募集を始めた。月2回配信される動画による講座で5年間学べば「朗読のプロ」となれる内容といい、同社は独自の資格制度を創設する。壌さんらは「日本人が失いかけている美しい言葉を取り戻し、再び瑞々(みずみず)しい『ことだまの国』をつくりたい」と意気込んでいる。

壌さんは京都市出身で、大蔵流狂言や劇団四季を経てフリーに。以降は舞台俳優として、映画やアニメなどの声優として、また、ドラマの演技指導、テレビアナウンサーの訓練など幅広く活躍。NHK大河ドラマや朝の連続テレビ小説にも出演歴がある。

また、日本朗読文化協会顧問を務め、認定NPO演劇倶楽部「座」を主宰。現在、動画サイトYou Tubeで吉川英治作「新・平家物語」全800章を朗読し、無料で配信する活動も行っている。

株式会社朗読では講師として長年にわたって培った朗読法を伝授するほか、会長も務める。

「ことばは民族の精神の基盤」ととらえる同社は、「ことばは声に出すことによってより深く心に届く。朗読は豊かなイメージ、心温まるメッセージを、ほほえみとともに親しい人に、同胞に贈る…愛の行為なのです」としている。

社長の木本康聖さん(57)は、本業が経営コンサルティングで愛媛県と東京都を対象エリアに活動している。明治大学を卒業後、東京相和銀行に入ったが13年間勤務した同行が破綻。経営コンサルタントとして独立し、東京で開業した。

演劇倶楽部「座」の顧問でもあり、朗読の稽古を見に行った際、「朗読ならオンラインで教えられる」とひらめき、壌さんにもちかけたところ「それいいね。やろう」と新会社設立へと、盛り上がったという。

本社を置いたのは松山市内のNPO法人家族支援フォーラム「地域支援センター 夢ポケット」内。同法人代表の米田順哉さん(58)は木本さんと愛媛県中小企業家同友会で知り合っていた。「単語での受け答えしかできない若者の姿を見るにつけ、本来の日本語がやせ細っている」と感じていた米田さんは、朗読が掲げる「伝えたいことを正しく伝える力を養う」「美しい日本語を後世に残す」という目的に賛同したのだった。

現在、募集しているのは「朗読を学ぶ会員」。入会金2万2千円、年会費2万6500円で、月2回の動画による指導を受ける。木本さんによると、まず短い教材を読み、続いて解説の動画を視聴する。教材は夏目漱石の「坊っちゃん」で、壌さんが読み、受講生がそれを繰り返す方法をとる。「歌舞伎のように『口移し』で朗読法を伝授する」という。5年間、こつこつと受講してゆくと同社が創設する資格を取得する力が身につく。

資格を身につけた後は、同社の「師範」となるための、さらに水準の高い講座も用意する。師範には「日本語の美しい響きを後世に残す」「日本のこころを後世に残す」ための事業参画を期待している。こうした活動のため、同社は今後、「朗読を学ぶ団体」「朗読を聴く会員」「朗読を教える会員」と講座を増やしていく計画を立てている。木本さんは「アナウンサーやコンサルタントの仲間、経営者、大学教授、中学校や高校の先生にも学んでほしい」と話している。

日ごろからソーシャルワーカーとして人の相談や援助に携わっている米田さんは「家族や本人から聞くことに加え、こちらから伝えることも大事。聞き取りにくい声より聞きやすい声の方が心地よい。壌さんは英語はミュージックと言っていたが、日本語も音楽のように伝われば」と話した。

壌さんは同社ホームページで「ことばこそ、思考と感受性のおおもとです。私たちは今日に伝わる小説や戯曲の豊かなことばを用いて今日の人々に語りかけたいと思います。そして失われかけたことばを取り戻し、再び瑞々しい『ことだま』の国を創りたいのです」と思いを語っている。(村上栄一)

[su_box title=”【広告】 位元堂” style=”soft” box_color=”#eda3c7″ title_color=”#131313″ radius=”10″]

身体の不調でお悩みの方へ漢方の「位元堂」

[/su_box]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。