コロナ禍で房総の「空き家」が大人気なわけ(日経ビジネス)

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出典元:日経ビジネス

ますます社会問題化している空き家。空き家の問題は、売りに出しても売れそうもないため、放っておかれている空き家が増えていることが大きな要因だ。放っておかれないための方策はないのか――。この問題に1つの解を提示し、実績を出しつつある仕組みがある。

【写真】『空き家幸福論』著者、藤木哲也氏。家いちば株式会社代表取締役CEO

 「家いちば」がそれだ。これは、一言で言えば、ネット上の不動産の売ります・買います掲示板。売買の商談を、売主と買主に任せる仕組みだ。売主がダメもとで掲示板に掲載した空き家に購入希望者が集まり、商談が成立するのだ。

 家いちば(東京・渋谷)を設立した藤木哲也氏が、11月20日、日経BPから『空き家幸福論』を発刊、空き家問題の解決を世に問うている。ここでは、空き家取引の最新事情を藤木氏に聞いた。(聞き手は田中淳一郎)

――2015年にスタートした家いちばは、不動産を売りたい人、買いたい人の間で徐々に知られるようになって、取引も増えていると聞いています。最近の状況はどうですか。

藤木哲也氏(以下、藤木):家いちばは、もともと空き家売買専門のサイトとして立ち上げたわけではないのですが、不動産流通に乗せても売れそうにないもの(=空き家)が掲載されるようになり、今では、空き家を売る場としての駆け込み寺のようになっています。

 最近の目立つところを挙げるとすれば、千葉県・房総半島の空き家が大人気です。1つの物件が掲載されると、その物件に対して1週間で数十件の問い合わせが入るという状況です。

●1つの空き家に100人超の購入希望者

 問い合わせをしても、問い合わせした人の個人情報が相手に伝わることはありませんが、私たちで把握、管理しており、正しく住所などを登録しない人は商談が始められないようになっています。なので、問い合わせは冷やかしなどではなく、本当に購入を考えている人からの問い合わせです。

 ネット上の売ります・買います掲示板であれば、1つの空き家に、数十人、中には100人超の買いたい人が現れ、空き家が売れていくのです。

――今なぜ、房総なのでしょうか。

藤木:まず考えられることは、例えば神奈川県・湘南の物件がもっと出てくれば、そこが大人気になるのかもしれませんが、東京から近いようで案外遠い房総の空き家は、持ち主にとって賃貸に出すなどの活用方法が乏しく、空き家になっている物件が多いということ。

 一方で買いたい人側から見れば、房総はそれなりに距離があるとは言っても、東京からクルマで2時間以内に着く場所がほとんどです。海は近いし、空き家はとにかく安い。古い物件だと1円!とか5万円というものがあります。これが人気の要因です。

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