米中貿易協定1年 「対中包囲網」構築なるか TPPへ「早期復帰」求める声も(産経新聞)

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出典元:産経新聞

【ワシントン=塩原永久】次期米大統領に就任する見通しのバイデン前副大統領は、「優先事項だ」と指摘した中国の貿易問題について、同盟国と包囲網を築いて対処する方針だ。対中圧力としてトランプ政権が多用した関税を新たに発動することには慎重だが、中国に貿易ルールを守らせる決め手となる手段は乏しい。米国が通商分野で指導力を発揮するため環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)へ早期に復帰すべきだとの意見が強まってきた。

【表でみる】主な米中対立の経緯

 バイデン氏が通商代表部(USTR)次期代表に指名したキャサリン・タイ氏は、オバマ前政権下のUSTRで、中国に対する世界貿易機関(WTO)での訴訟に携わり、日欧などと連携して勝訴に導いた。

 タイ氏は今年8月の講演会で、「中国は大きな幻滅を招いた」と厳しく批判したこともある。中国が2001年のWTO加盟後、期待された市場開放を進めなかったためだ。

 タイ氏が議会承認を経て就任すれば、「中国などではなく、私たちが貿易ルールを書く」と訴えるバイデン氏のもと、同盟国や友好国に対中圧力を強めるよう求めてくる可能性もある。

 ただ、バイデン氏は新型コロナウイルスの打撃を受けた景気の回復を最優先とする構えだ。米国が内政重視に傾く中、中国はTPPへの参加検討を表明し、米国内では、対中戦略を推進する出足の鈍さを懸念する声が出ている。

 元米政府高官で米戦略国際問題研究所(CSIS)のグッドマン氏は、今月1日、バイデン氏が来年1月の就任直後にTPP復帰方針を表明すべきだとの論考を発表した。「米国抜きの新たな貿易協定に各国が動く」(グッドマン氏)ことへの警戒感は根強い。民主党からも「対中政策の一環として検討するよう望む」(マーフィー下院議員)とTPP復帰を求める声が上がっている。

 バイデン次期政権は新たな通商交渉に慎重だとの見方が支配的だが、中国が揺さぶりをかける中、TPP復帰検討を含め「早々に新たな対応策を表明せざるを得なくなる」(米研究者)との指摘も出ている。

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