高島市長市政10年、取り戻した「元気・信頼」 福岡(産経新聞)

出典元:産経新聞

福岡市の高島宗一郎市長は7日、平成22年12月の就任から10年を迎えた。市税収入は令和元年度まで7年連続過去最高を更新し、2年度の市民アンケートでは市政信頼度が過去最高の83・9%を記録した。各種の指標をみると、当初掲げた「取り戻せ元気 取り戻せ信頼」のスローガンを達成したといえる。政治・行政経験ゼロのアナウンサー出身市長は政治手腕を身につけ、今や地方活性化の旗手の一人に挙げられるまでになった。(中村雅和)

■時代の半歩先

 7日朝、多くの市職員に交じって高島氏が市役所に登庁した。

 「素人の目はそのままに、政治家としては素人から玄人に変わったかな」

 就任からの10年間での変化について、高島氏はこう語ると、足早にエレベーターに乗り込んだ。

 ある市幹部は「市長の根本は10年で何も変わっていない。ただ、政策を実行する力が格段に上がった。まだまだ若いが、老(ろう)獪(かい)さすら感じる」と信頼を寄せる。

 しかし、道のりは順風満帆だったわけではない。

 「1期目は『どうせすぐ終わるだろう』と目を離せば、(市職員は)動かなかった。(手応えが生まれたのは)2期目の途中ぐらいからだ」

 9月、高島氏はインターネット番組で橋下徹元大阪府知事と対談した際、こう振り返った。

 別の市幹部も「市長の視線は時代の半歩先にある。今になって振り返れば分かることでも、当時はなかなか理解されないこともあった」と話した。

 高島氏は観光庁がインバウンド促進策として打ち出したMICE(国際会議やビジネスイベントの総称)振興にいち早く乗った。インバウンド客の増加を見越し、平成24年に運用を開始した都心部でのフリーWi-Fiは今でこそありふれたサービスだが、当時は先進的だった。ただ、当初は理解を示さない幹部職員も少なくなかったという。

 それでも政治は結果が全てだ。MICE開催件数は東京都に次ぐ国内2位に増加し、宿泊施設の供給力不足が指摘されるほどだ。第三次産業が市内総生産の9割超を占める福岡市にとって交流人口の増加は経済活性化につながる。

 このような実績の積み重ねで、高島氏への信頼と評価はじわじわと向上した。

■「若かった」

 もちろん頓挫した政策もある。シティプロモーションの一環で1期目に設置したインターネット上の仮想行政区「カワイイ区」はその1つだ。

 「男女差別を助長する」と苦情を受け、市男女共同参画審議会では一部の委員から高島氏のトップダウン姿勢への批判が出た。

 しかし振り返れば、「デジタル区民」の登録を募る発想は、地方自治体のデジタルトランスフォーメーション(DX)の先駆けといえた。

 「ちょっと時代の先取りをしすぎたよね」

 高島氏は、廃止以降にはほとんど触れることがなかったカワイイ区について周囲にこう漏らす。

 「当時は市長はもちろん、私たちも若かった。思えば粗い部分もあった」。ある市幹部はこう話す。

 ただ、失敗を経ても高島氏の意欲が衰えることはなかった。人口が減少し、都市間競争の過熱が予想される局面で、他都市と横並びの施策を打つことは何もしないことと同じだ-との危機感からだ。

 武器になったのは26年5月に指定された国家戦略特区だ。起業支援をはじめ実績を重ねた。さらに評価が確立したのは2期目で着手した都心部の再開発プロジェクト「天神ビッグバン」での航空法によるビルの高さ制限の緩和だ。市役所だけでなく、経済界も「どうせ無理」と否定的ムードが漂う中、安倍晋三前首相をはじめ政権中枢とのパイプを駆使し、緩和を勝ち取った。これで高島市政を見る目が劇的に変わった。

 安倍氏も高島氏の手腕を評価し、福岡市から新たな提案が持ち込まれると、麻生太郎副総理兼財務相に「高島市長がやるならいいんじゃないですか」と語っていたという。

■成功モデル

 高島氏のかじ取りに財界からの評価も高い。九州経済連合会の麻生泰会長は「ビジョンやロマンを持つ首長(の存在)で、街がここまで変わるのかという一つの成功モデルだ」と強調した。

 足元の課題は、(人権問題で)香港の金融センターとしての機能が低下する可能性があることを受け、急展開する国際金融機能の日本への集積だ。高島氏は、福岡市を東アジアのビジネスハブにするとの目標を掲げ、誘致に意欲を示す大阪府・市や東京都に先んじて経済界や大学などを巻き込んだ組織「チーム福岡」を発足させた。こうした手腕に対し麻生氏は、こうつぶやいた。

 「こんな首長がいるのは本当にラッキーだよ」

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