出典元:現代ビジネス
ギリシア神話に登場する魔物「ゴルゴーン三姉妹」の三女であるメドゥーサは、姉2人(ステンノー、エウリュアレ)とは違って不老不死ではない代わりに、ポセイドンに愛されるほどの美貌に恵まれていた。
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しかし、その傲慢な態度ゆえに女神アテナの怒りを買い、蛇の髪をもち、その目で見たものを石に変えてしまうほどの恐ろしい形相に変えられてしまう。あまつさえ、ペルセウスによって切り落とされたメドゥーサの首は哀れにも、アンドロメダを襲おうとする怪物を石にするための狂言回しにされてしまう。
ギリシャ神話の神々というのは、驚くほど不寛容で、彼らこそ嫉妬の塊なのではないかと思えるほどの、どぎつい罰を下してくるものである。果たしてメドゥーサは、ほんとうにそれほどの罰を受けなければならないような悪事をはたらいたのだろうか。
……とまあ、神話にいちゃもんをつけても仕方がないわけだけれども、「メドゥーサ」という単語で画像検索をすると、その多くが切断面から血を滴らせた虚ろな表情の「首」をモチーフにしたものが多数ヒットする現状(ゲームか何かのキャラクターも数多し)に鑑みて、私はメドゥーサに大いなる同情を禁じ得ないのである。
だからといって、私たちが2019年に日本の自然水から分離したウイルスに「メドゥーサウイルス」という名前をつけたのは、メドゥーサへの同情が昂(たかぶ)ったからではない。
ではなぜか? その由来は、いま少しお待ちいただくことにしよう。