出典元:AP通信
サンパウロ、ブラジル、10月26日(AP)― 南米ブラジル最大の都市サンパウロ市内を流れるピニェイロス川は、同国で最も汚染された川として知られているが、サンパウロ州政府は、その川を浄化する事業に取り組んでいる。
ピニェイロス川沿いのアメリカーノポリス地区に住むエイドリアーナ・マリアさんは、下水道からの生活排水で病気になるのではないかと、自身の健康被害を危惧している一人だ。
「下水道の近くに住んでいることで、病気にかかるんじゃないかと心配で…」というマリアさんは、「地元の保健所制度はあってないようなもので、病気になっても診てもらえる医者もいない」と現状を訴える。
州政府の計画では、ピニェイロス川沿いの4万3000世帯を対象に下水設備を着工し、2022年までにさらに50万世帯に設備を拡充するという。そのためには、川からゴミなどの投棄物を取り除くことが先決問題となる。
州政府によれば、ブラジルで財政的に最も豊かなサンパウロ州でさえ、下水設備が完備している世帯は州の総人口の80パーセントだという。
ブラジル国家衛生情報システムによると、同国の上下水道普及率は上水道83パーセント、下水道が50パーセントだという。つまり、人口の半分が生活排水を河川などに流出させていることになる。
(日本語翻訳・編集 アフロ)