「いつまでもつか不安」コロナで医療従事者に重い負担(産経新聞)

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出典元:産経新聞

新型コロナウイルス禍で医療従事者らがストレスにさらされ、一定数が鬱症状を有しているとみられることが23日、大阪府の調査・分析で浮き彫りになった。経済との両立が求められる中でも、冬場の感染拡大を懸念して医療現場では緊張が続く。「あとどれくらい働くことができるだろうか」。大阪府内のある医療従事者はいつも不安を抱えているという。

 ■「相談しない」も

 「新型コロナ以降、患者の感染予防に伴う業務などが増えたが、人員は増えない。やりがいのある仕事だが、体力的にあとどれくらい働けるだろうか、何か失敗しないだろうかといつも考えている」。こう話すのは府内の医療機関に勤める女性看護師(40)。医療従事者への精神的サポートは極めて重要だ。

 府のアンケートで、精神状態が悪いときの相談相手(複数回答)として最も多かったのは「家族・友人」で77%。「上司・同僚」(18%)、「専門家」(14%)と続いたが、「相談しない」も16%だった。職場でのメンタルヘルスの情報共有が「十分共有されていると思わない・あまり思わない」は52%に達した。

 府によると「情報が十分に共有されていると思わない」と答えた人は、そうでない人に比べ鬱症状の割合が高い一方、家庭や職場などで仕事に関する悩みを話せる人は、話せない人より鬱症状の割合が低かった。

 ■差別的言動を排除

 こうした結果を踏まえ、府はアンケートを分析した9月、医療従事者向けの相談ダイヤル(06・6697・0877)を開設。家族や支援者も相談できるよう運用ルールを改めた。また、ストレス対処法や職場のメンタルヘルスケア対策などをテーマにした医療機関向けの出前講座も用意。要請を受け精神科医の資格を持つ職員らを派遣する。

 新型コロナ感染者に対応した同府内のある医療機関によると、医師や看護師からの聞き取りでは「配偶者が勤務先の会社で出勤しないように言われた」「子供の保育所で、他の保護者が子供同士が近づかないよう呼びかけているのを聞いてしまった」などの経験が報告された。今回のアンケートでも24%が差別的な扱いを「感じる・少し感じる」と答えており、こうした言動をしないことが欠かせない。

 日本赤十字社が作成したサポートガイドでは、医療従事者に対し、心身の健康をチェックするとともに自分に起こりやすいストレス反応や対処法を把握し、自身にマイナスのレッテルを貼らないことを呼びかけている。

 ■行政の役割も重要

 「外食禁止の通達は今も解除されていない。仕方のないことだが、休憩も密を避けるため時間や部屋を分散している。ストレスがたまっている」と府内の女性看護師。マスク着用や面会制限で患者や家族から不満を言われることもあり、疲れ果てているという。

 国際医療福祉大の中尾睦宏(むつひろ)教授は「医療従事者は病院だけでなく宿泊施設や空港などでもコロナへの対応を取ることがあり、負担が増えている」とした上で、「医療従事者がストレスで離脱せず、仕事と家庭生活を両立できる勤務態勢が必要だ」と訴える。

 そのためには行政の役割として、医療機関と連携し、病院外の業務で適切な人材配置を目指すほか、子育て中の医療従事者を支援するため保育所の確保が求められると指摘する。

 コロナ対応は長期化しており、今後も感染再拡大に備えるためにも、医療従事者らをサポートする体制整備は急務となっている。

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