出典元:現代ビジネス
1968年に出版され、累計250万部以上を売り上げた『あゝ野麦峠―ある製糸工女哀史』(著:山本茂実)という作品がある。同作は、明治から大正時代にかけて、岐阜県の若い女性たちが野麦峠を超えて長野県の製糸工場へ働きに出る模様を忠実に描いたノンフィクションで、1979年には大竹しのぶ主演で映画化、後にはドラマ化もされている。
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さて書籍版『あゝ野麦峠』の中盤に「天竜川の哀歌」というサブタイトルで、ある連続殺人鬼の名前が出てくる。それが本稿で紹介する「肝取り勝太郎」である。『あゝ野麦峠』ではあくまでサブエピソードとして、4ページほどの分量で「肝取り勝太郎」の話を取り上げているのみだが、もう少し深く掘り下げてみたい。