ぜんそく患う声優、森川智之さん「計画的な治療を」(産経新聞)

出典元:産経新聞

米人気俳優、トム・クルーズさんの吹き替えを専属的に担当し、洋画や人気アニメ「鬼滅の刃」など数々の作品に出演している森川智之さん。“声優界の帝王”とも称される存在だが、ぜんそくのため投薬治療を受けながら仕事を続けている。今月東京都内で開かれた医療セミナーに登場し、「周囲や主治医としっかりコミュニケーションをとることが大切。前向きな気持ちで、自分らしい楽しい人生を送ってほしい」とぜんそく患者にエールを送った。

 ぜんそくはアレルギー性の炎症で気道が狭くなり、激しいせき込みなどの発作を起こす。国内の患者は全人口の約8%にあたる約1千万人とされている。

 幼い頃にぜんそくを患っていたと母親から聞いていたが、「過去の病気」と思っていたという森川さんは、声優の仕事で多忙を極めていた十数年前に再発した。「声優としては致命的」といい、「『オーディションに負けたくない、自分の弱さを隠さなくては』と、誰にも言えなかった」と振り返る。

 だが、改めて周囲を見回すと、声優業界にはぜんそくに限らず、さまざまな病気を持つ人がいた。そうした人たちに話を聞くと、「自分だけじゃない」と前向きになれたという。

 主治医には、仕事のスケジュールも伝えて投薬を調整してもらい、小さな異変でも感じればすぐ、病院に行っている。「計画的な治療で、制約なく仕事や日常生活を送れている」と話した。

 森川さんとともにセミナーに登壇した帝京大医学部内科学講座の長瀬洋之教授も「仕事内容や忙しい時期があらかじめ分かれば、薬の強度を調整できる」とし、「忙しくて薬の吸入ができていないときも、医師に正直に伝えて」と話した。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、アニメの音声収録の方法も大きく変わったという。従来は密閉された狭いスタジオに声優全員が集まって行うことが多かったが、現在は飛(ひ)沫(まつ)防止のアクリル板を設置したり、収録と収録の間に換気をしたりと感染予防策を徹底。検温を行ったうえで2、3人ずつスタジオ入りして収録を行っているという。

 森川さんは「3密を避けるよう言われ、すごく不安だったが、(今の方法が)スタンダードになってきた」と話した。

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