『嫌われる勇気』著者、部下をほめてはいけない理由(日経ビジネス)

出典元:日経ビジネス

『嫌われる勇気』の著者である、哲学者の岸見一郎氏。リーダーシップを初めて論じた新刊『ほめるのをやめよう ― リーダーシップの誤解』では、下記のような、旧来の「部下指導の常識」をすべて否定する。

【写真】サイボウズの青野慶久社長

・強いリーダーは、カリスマがあり、部下をぐいぐい引っ張る
・ほめて育てないと部下は伸びない
・部下を指導するためには、ときに叱ることも必要だ

 そんな常識に反する岸見流のリーダーシップ論を、現役経営者との対話から深める本シリーズ。初回の相手は、多様性と柔軟性ある人事制度で知られ、「働きがいのある会社」として定評ある*、サイボウズの青野慶久社長だ。

 青野社長が、社員をほめるときに覚える「罪悪感」。そこから浮かび上がる、上司と部下の人間関係の課題とは?

* 例えば、Great Place to WorkⓇInstitute Japanが日本で実施した『2020年版 日本における「働きがいのある会社」ランキング 中規模部門(従業員100-999人)』において2位。7年連続でランクインしている。

* * *

青野:岸見先生、ご無沙汰しています。

岸見:今日はZoomでお話ししますが、お目にかかるのは3年ぶりですね。

青野:あのときは、京都から東京オフィスまで来ていただきました。社員の1人から、「『嫌われる勇気』に書かれている内容は、サイボウズのこれまでの取り組みと似ているのではないか」という声が上がったのをきっかけに。社員たちと一緒に、いろいろなご相談もしましたね。私も経営者として、1人の人間として、悩みを抱えながら生きていますから。そのときにお話しした内容は、こちらの記事にまとめてあります。

岸見:あのとき会社を訪問して、驚きました。自分が理想と考える「民主的な組織」が、青野さんの会社で、すでに実現されていることを心強く感じましたし、社員の皆さんが、地に足の着いた考え方──理論的というより、具体的なものの考え方──をされていることに、感銘を受けました。

――そんな青野社長と岸見先生が、今日はリーダーシップについて語り合います。青野社長には、岸見先生の新刊『ほめるのをやめよう』を、あらかじめ読んでいただきました。お忙しい中、ありがとうございます。

青野:『ほめるのをやめよう』とは、挑戦的なタイトルですよね。

 「叱る/ほめる」というのは、昭和型のリーダーシップの象徴で、私たちはそこから新しいマネジメントスタイルに移行しなければならないと考えています。

 けれど、じゃあ、「叱る/ほめる」に変わる、新しいマネジメントスタイルとは一体、何なのか、というと、明確な答えを提示できる人はほとんどいません。

 そこにはっきりと言語化された答えを示しているという点で、今回の岸見先生の本は、時代が求める1冊だと感じました。

●社員をほめていることを反省します 

――そういう青野社長は、社員の皆さんを、ほめていないのでしょうか。

青野:いや、そこを突かれると(苦笑)。ほめちゃっているところがありますね。

岸見:そうなのですか。

青野:本を読んで、反省しました。

――そもそも「社員をほめるのは悪いことだ」という意識が、青野社長にあったのでしょうか。

青野:それはありました。

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