「M38」点灯!巨人史上最強チームで原監督、恩師・藤田氏超えへ シーズン最高勝率で8年ぶり日本一狙う(夕刊フジ)

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巨人は15日の阪神戦(東京ドーム)で鮮やかな逆転勝ち。8連勝で優勝マジック「38」が点灯した。首位独走のVロードを阻む難敵は、もはやセ・リーグには見当たらない。これからのライバルは過去の自分たちだ。原辰徳監督(62)の在任14年間で最強チームは、シーズン勝率・667で日本一に輝いた2012年。この半世紀でセ・リーグの最高勝率・677をマークしたのは、藤田元司監督のもとで原監督が主砲を務めた1990年の巨人だ。今季の巨人はここまで46勝22敗で勝率・676とほぼ互角。原監督は最大の恩師である藤田監督のベストシーズンを上回れるか。 (笹森倫)

 先発菅野が近本に2打席連続ソロを浴びるなど、中盤まで1点のリードを許す苦しい展開。だが6回、4番岡本の同点打から女房役の大城の決勝打まで5安打を集めて逆転を決め、菅野は無傷の開幕11連勝を挙げた。

 直接対決で阪神の自力優勝を吹き消し、72試合目にして優勝マジックが点灯。これは03年阪神の76試合目を上回るセ・リーグ史上最短記録だ。さらにコロナ禍で公式戦開始が約3カ月延期され過密日程になったため、6月19日の開幕からまだ89日目。3カ月足らずでのマジック点灯は、驚異のスピード記録といえる。

 原監督は「志半ば、戦い半ばです。僕は全く意識していません。マジックというのは4ぐらいでちょっと意識するくらいの、まさにマジックですから」と泰然自若。目標はリーグ2連覇の、その先にある。巨人は昨年の日本シリーズでソフトバンクに4戦全敗を喫し、7年連続で日本一を逃した。今年もダメなら球団ワースト新記録となる。

 最後の日本一は第2次原政権の12年。阿部が主将、正捕手、4番の3役をこなす「慎之助のチーム」(原監督)のピークだった。飛ばなすぎる統一球に多くの野手が苦しめられるなか、阿部は首位打者と打点王の2冠。坂本と長野も打率3割をマークした。投手陣ではマシソン、山口鉄、西村の勝利の方程式が盤石。内海の15勝を筆頭に4人が2ケタ勝利を挙げた。

 この年は86勝43敗15分で、ぴったり2勝1敗ペースの勝率・667。これが原監督のキャリアハイだ。2位中日に10・5ゲーム差をつける独走優勝で、日本ハムとの日本シリーズも制した。

 今季ここまでの勝率は12年を上回る・676。8年ぶりの日本一奪回へ向け、原巨人史上最強のチームができつつある。24歳の岡本が開幕から不動の4番で、もっか本塁打と打点の2冠王。スケールアップした坂本、FA戦士の丸を合わせた3枚看板に加え、待望の「打てる捕手」大城が本格化して打率3割台をキープしている。

 元大洋監督、巨人ヘッドコーチで本紙評論家の須藤豊氏は「4番岡本の次を打つ5番がカギとみてきたが、いろいろな選手を試しながら3番の丸を5番に据えたことで、2人とも落ち着いた。坂本も2番より1番のほうが座りがいい」と指摘。火の車だったブルペンも「楽天からトレードで獲った高梨、ファームから抜擢した大江の左腕2人が入ってから回り始めた。セ・リーグはいい左打者が多い。中川も合わせて左3枚の存在は大きい」と分析する。

 11日に川上哲治監督の1066勝を抜き、巨人の歴代最多勝指揮官となった原監督。シーズン勝率の勝負では、川上巨人はV9期間中の1966年に89勝41敗4分で・685をたたき出したこともある。ただし当時、ONをはじめ優秀な選手をかき集められたのは、まだドラフト制度がない時代の賜物ともいえる。

 同じ土俵で語るなら、90年の藤田巨人が最強のライバルだろう。20勝エースの斎藤を筆頭に、先発5本柱がそろって2ケタ勝利。88勝42敗で勝率・677をマークした。当時の4番は原監督で、チーム最多本塁打は駒田の22本と大砲は不在。須藤氏は「江川、中畑が引退して、私が2軍監督時代に鍛えた同世代の若手が一気に出てきた。気持ちの強い選手が多く、大洋の監督になってコテンパンにやられた」と苦笑交じりに振り返る。

 FAと逆指名で再び戦力をかき集められるようになった時代は過ぎ、今季の巨人に逆指名入団の選手はゼロ。原監督にとって勝率を高めることは、単に過去の名将たちに挑戦すること以上の重大な意味を持つ。

 原巨人の過去8度の優勝のうち、勝率の上位の3シーズンはいずれも日本一=表参照。4番手の・613だった13年も楽天との日本シリーズは3勝4敗と惜敗だった。今季もこのまま6割以上の勝率を維持できれば、8年ぶりの頂点が見えてくる。

 須藤氏は「百戦錬磨のソフトバンクの選手たちのしたたかさにはまだ及ばない。若手が多いロッテの勢いも侮れない。巨人も若い選手を成長させるには、試合に出すのが一番。大城のリードの向上、手薄な先発投手陣の整備など、日本シリーズまでに実戦でやれることは多い」とハッパ。長い消化試合をいかに糧にできるかだ。

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