大門とボス「お別れ」シーンに苦悩 前夜に深酒、二日酔いで本番撮影 渡哲也さん・仁義の男の美学(夕刊フジ)

出典元:夕刊フジ

【渡哲也さん 仁義の男の美学】

 3時間スペシャルとして1984年10月22日に放送された「西部警察」最終回は夕張炭鉱跡での大爆破シーンを皮切りに静岡、瀬戸内海とキャラバンロケ。

 そして、夕張で犯人に撃たれて殉職した渡哲也さん演じる大門と、石原裕次郎さん演じるボスの木暮の「お別れ」シーンは8月、福岡のホテルの一室で行われた。

 その前夜、取材で現地入りした私は、渡さんに「今夜はじっくり飲みたい」と誘われ、老舗のタカクラホテル福岡を訪ねた。

 すでに渡さんはホテル内のバーで待っておられ、先客の芸能リポーターの藤田恵子さんと石原プロの仲川幸夫芸能部長と4人でレミーマルタンを2、3本空けた。渡さんには青山の焼肉店や調布のすし店などでごちそうになってきたが、お酒(主にビール)はたしなむ程度だった。ところがその夜はブランデーをロックで何杯もおかわりした。

 1カ月ほど前に裕次郎さんに肝細胞がんが判明、本人には知らせていないが渡さんは知っていた。それなのに裕次郎さんが自分の遺体と対面するというシーンが待っている。彼の苦悩が分からない私と藤田さんはガンガン飲んでお付き合い。

 渡さんは終始笑顔で裕次郎さんとの思い出を話し、食い違った互いの女性観までぶっちゃけて明るく話した。それは、石原プロお得意のポーカーフェースだったのである。隣の仲川さんにお尻をつねられた。それが「いい加減に渡を解放」のサインで、会はお開きになった。

 翌朝の本番。殉職した大門がベッド上であおむけに眠っている。入ってきたボスの裕次郎さんは泣きながら「大ちゃん、おまえを弟のように思っていた」と語りかける。セリフは全部アドリブ。後に渡さんは「社長が何を語るのか分からず、リアクションもできないので耳栓をしていました」と告白した。

 そして、福岡の夜の深酒について問うと「いや~、いろいろ悩みましたが本番で死人が感情を出したら大変なので、ベロンベロンの二日酔いで挑みました。ご協力、ありがとう」と明かして爆笑、子供のように舌をペロッと出した。おちゃめなダンディーだった。 (中野信行)

 ■渡哲也(わたり・てつや) 1941年12月28日生まれ、兵庫県出身。青山学院大経済学部卒後、64年に日活入社。翌65年に「あばれ騎士道」でデビュー。71年、石原プロに入社。76~79年は日本テレビ系「大都会」、79~84年はテレビ朝日系「西部警察」に主演。2005年に紫綬褒章受章、13年に旭日小綬章受章。8月10日、肺炎のため死去。78歳。

【広告】

世界も驚く!

注目の置き換えダイエット

初回540円~スナック菓子でダイエット 



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です