金正恩氏、台風9号の被災地訪問した「本当の理由」 識者「トランプ氏が落選なら北は強硬手段も」(夕刊フジ)

出典元:夕刊フジ

9日に建国72年を迎えた北朝鮮。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、台風9号で被害が出た日本海側の咸鏡南道(ハムギョンナムド)を訪問したが、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の開発拠点を視察した可能性も指摘されている。国連制裁、新型コロナウイルス、自然災害の「三重苦」の中、党創建75年の節目である10月10日、さらに11月の米大統領選を前に、強硬手段に出てくるのか。

 北朝鮮では8月以降、豪雨や台風被害が続いており、正恩氏は被災地に自ら足を運んでいる。

 今月5日付の「公開書簡」で正恩氏は、軍部隊は既に他の被災地に動員されていると指摘し、台風9号で被災した咸鏡南道、咸鏡北道(ハムギョンプクト)の復旧に首都平壌(ピョンヤン)の党員が駆け付けるよう呼び掛けた。朝鮮中央通信は30万人以上が志願したと報じた。

 「北朝鮮では治水対策が進まず水害が多い。1990年代の大飢饉(ききん)の引き金にもなった」と解説するのは、北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長の高英起(コウ・ヨンギ)氏。「現時点ではコメの価格も安定しており、影響が出るとすれば来年3~4月ごろではないか」と語る。

 正恩氏が「国民重視」をアピールする背景に社会不安があるとみるのは、朝鮮半島情勢に詳しい龍谷大学教授の李相哲氏だ。「被災地で行き場を失った人々の不満が引き金となり、社会の安定が崩れる可能性もある。新型コロナウイルス対策でかつてないほどの統制をかけていたこともあり、正恩氏にとっては難題だ」というのだ。

 北朝鮮は3月末以降、5カ月以上、弾道ミサイルの発射実験を行っていない。正恩氏が視察した咸鏡南道にはSLBMの開発拠点がある。日本政府関係者は「経済状況が核・ミサイル開発のペースに影響を与えているのか見守る必要がある」と語る。

 李氏は「国内の不満に対し、結束力を高めるために何かをすべき状況だ。党創建記念日の10月10日までにSLBMの発射や新兵器の披露を行う可能性はある。ただ、正恩氏は、米大統領選に影響する動きを嫌っており、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験など“レッドライン”は越えないだろう」との見解を示す。

 前出の高氏はこう語った。「正恩氏は米国との糸をつなげるためにトランプの再選を望んでいる。トランプ氏が落選すれば強硬手段に出る可能性は考えられる」

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