出典元:日経ビジネス
「新型コロナウイルスの感染拡大は、すべての経営者にこれまでの姿勢の是非を問いかけている」。そう指摘するのは、経営コンサルタントの小宮一慶氏だ。経営の本質や原理原則を理解し、かつ常に実践してきたかどうか。それを怠ってきた経営者ほど、今の状況に苦しんでいるはずだという。
【著者近影】小宮一慶(こみや・かずよし)/経営コンサルタント。小宮コンサルタンツ代表取締役CEO。
小宮氏が20年以上にわたり、多くの企業の経営を見てきた経験から導いた原理原則をまとめた新著『どんなときでも稼ぐ社長がやっている経営習慣36』の中から、「本当の意味での顧客志向」とは何かを紹介する。
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私は経営コンサルタントとしてたくさんの会社に顔を出させていただいています。会社が伸びるか、それとも沈むかの決定的ポイントは、言うまでもなくお客さまからお金をいただいている商品やサービスですが、ちょっとしたところで分かることも意外と多いものです。
例えば会社に入ってすぐの受付で、即座に気づくことがあります。大きな会社の場合は受付に人がいるので対応してもらえますが、中小企業では電話が置いてあるだけというケースが結構あるのではないでしょうか。どこの部署に電話をかければいいかが分からないと、戸惑いますよね。
こんな場面でよくあるのが、こちらの用件とは関係ない社員が知らん顔して素通りしてしまうこと。それに対して、通りかかった社員が「ご用件を伺っていますか」と声をかけてくれる会社もあります。もちろん前者が沈む会社で、後者が伸びる会社です。
この2つの会社の違いは、社員が多方面に関心を持っているかどうかの差です。仕事で頭がいっぱいで心の余裕がないのか、それとも満足な社員教育がされていないのか。いずれにしても、社員が素通りする会社は成長が期待できるとは言えないと思います。
自分を訪ねに来たお客さまではないから関係ない。そんな感覚から透けて見えるのは、自分が会社に所属する一員という意識の欠如。会社全体を考えれば、すべてのお客さまに丁寧に接することが当然ということに気づくはずです。
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