出典元:夕刊フジ
【こだわりの極意】
貴重なライブアルバムの登場だ。Japanの「武道館 1982年12月8日」である。冒頭の女子たちの“キャ~!”には違和感を覚えるが、そもそもJapanというバンドはロック界において唯一無二のスタイルを確立したバンドであり、決してアイドルバンドではない。
ところが当時から、その抜群に美しいルックスにより、一般からは女の子にキャーキャーいわれるバンドとして認識されてしまった。
その後、ヴォーカルのデヴィッド・シルヴィアンは、僕が敬愛するキング・クリムゾンから誘われるものの、クリムゾンにその個性が吸収されることを恐れ、「シルヴィアン&フリップ」名義のアルバムのみに。
あ~! クリムゾンのメンバーとしてクリムゾンの名曲を歌ってるデヴィッド・シルヴィアンを観たかった~!!
それにしても、いま聴いても新しい。
ベースのミック・カーンのフレットレスがいい! サポートに入った土屋昌巳さんはカッティングが素晴らしい。しびれます!
世界に名前のとどろく日本を代表する名ギタリストです。あの頃、僕は高校2年生。
残念ながら、この1982年のJapanの武道館ライブは試験かなにかで観に行けませんでしたが、「全世界から信頼されてるんだな~! スゲ~な~!」と日本人として誇らしい気持ちになったことを今でも鮮明に覚えてます。
レコーディングのときにミック・カーンにベースラインのダメ出ししたら、翌日、ミックが眼を真っ赤にして「できたよ…」と部屋に入ってきたという話を当時、ある番組で聞いたときには、あまりにビッグ過ぎて口あんぐりでしたが、それほど世界的な実力があったんですね。
このライブアルバム、坂本龍一さん、高橋幸宏さん、矢野顕子さんも参加! 特に矢野さんとデュエットした「Bamboo Music」は必聴です。おウチ時間の過ごし方が重要になってくる今の状況。伝説のライブでゆったりイキましょう!
■高嶋政宏(たかしま・まさひろ) 1965年10月29日生まれ。東京都出身。87年、映画『トットチャンネル』で俳優デビュー。ドラマ『SUITS season2』(フジテレビ系)に出演中。また、映画『ぐらんぶる』が公開中。映画「映像研には手を出すな!」が9月25日から公開される。