出典元:週刊東洋経済
<2020年8月1日号> 意外と実用化に近い技術も、問題はコストとリスク
評者/サイエンスライター 佐藤健太郎
数十年前になされた未来予測を見ると、2020年の世界に住むわれわれは、月まで自在に観光旅行に行ったり、錠剤1つでがんを治したりできることになっている。一方、通信やゲーム、代金の支払いまでもこなす、手のひらに乗る機械の出現は、誰一人予想していなかった。技術予測は、かくも難しい。
社会を一変させる新技術と喧伝されながら、なかなか実用化に至らぬケースは少なくない。何が問題なのか、それらは今どういう段階にあるのか? 本書は、タイトルにある通り「いつになったら実現するのか」と言われ続けている10の技術を取り上げ、その現状を追った。