『コロナ・ショックは世界をどう変えるか 政治・経済・社会を襲う危機』ほか 『現代アメリカ政治外交史 「アメリカの世紀」から「アメリカ第一主義」まで』(週刊東洋経済)

出典元:週刊東洋経済

<2020年9月12日号> 大統領の政策を4軸で解説、歴史の中の「今」を再認識
評者/帝京大学教授 渡邊啓貴
本書は第2次世界大戦後の米国の政治外交史だが、その特徴は各大統領の政策を、①大統領制のあり方、②人種問題、③ジェンダー、④対外政策に分け、各章で包括的に論じている点にある。通して読まなくても、興味のある時代の政策がまとめて理解できるようになっている。

序章では基礎となる大戦前の政治外交史が、4軸に沿って解説されている。①もともと連邦議会と州政府の権限が強かった米国政治は19世紀末に革新派の大統領が現れたころから変化し、1930年代に「強い大統領制」へと変わったこと、②人種排外主義の対象はアフリカ系だけでなく、同じ白人でも東欧諸国、アイルランド、イタリアの出身者、さらにアジア系など、幾重にも差別の構造が潜在化していること、③敬虔で貞淑、家庭的な淑女を理想とする米国の女性像の崩壊から女権運動や同性愛者の社会的承認への進展、④外交における孤立主義から国際主義と理想主義への変容、である。これらが現代米国政治外交の通奏低音となっている。

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